
共生型デイサービスとは| 〜仕組み・特徴・メリットを徹底解説
高齢者と障害者が共に過ごす「共生型デイサービス」という新しい形の介護サービスが注目を集めています。
この記事では、共生型デイサービスの仕組みや特徴、一般的なデイサービスとの違い、どんな方が利用できるのかについて詳しく解説します。
1. 共生型デイサービスとは?
共生型デイサービスとは、高齢者と障害者が同じ施設で支援を受けることができる新しい形の介護サービスです。
従来のデイサービスは、高齢者向けと障害者向けが別々に提供されていましたが、共生型デイサービスはその枠を超え、両者が同じ環境で活動することを可能にしています。
共生型デイサービスの背景
日本では、高齢化とともに介護を必要とする人が増加しており、一方で障害を持つ方の社会参加を支援するニーズも高まっています。
こうした背景から、「共生社会の実現」を目的として、介護保険と障害福祉の枠組みを融合した共生型デイサービスが生まれました。
共生型デイサービスの特徴
- 高齢者と障害者が同じ空間でサービスを受けられる
- 介護保険と障害福祉サービスの両方を活用できる
- 利用者同士の相互作用を通じた社会的交流の促進
- 多様なニーズに対応できる専門スタッフの配置
このように、共生型デイサービスは、利用者一人ひとりに合わせた柔軟なサポートを提供し、社会的なつながりを生み出す役割を果たします。
1-1. 一般的なデイサービスとの違い
一般的なデイサービス(通所介護)と共生型デイサービスの主な違いは、利用対象者の範囲とサービス内容の柔軟性にあります。
対象者:
一般的なデイサービスは高齢者のみを対象としているのに対し、共生型デイサービスでは高齢者と障害者の両方が利用できる。
サービスの種類:
一般的なデイサービスでは、主に介護保険による支援が中心となる。一方で、共生型デイサービスは介護保険に加えて障害福祉の支援も組み合わせることができるため、より幅広いサポートを受けられる。
目的:
一般的なデイサービスの目的は、主に高齢者の介護予防や身体機能の維持にある。しかし、共生型デイサービスでは、介護支援に加え、世代や障害を超えた社会的交流の促進も目的の一つとなる。
スタッフ構成:
一般的なデイサービスには、介護職員や看護師が配置されていることが多いが、共生型デイサービスではそれに加えて、障害福祉の専門スタッフも在籍している。これにより、障害を持つ利用者に対して適切なサポートが提供できる。
社会的交流:
一般的なデイサービスでは、高齢者同士が関わることが中心となる。一方、共生型デイサービスでは、高齢者と障害者がともに過ごすことで、世代や障害の枠を超えた交流が生まれる。
-
異なる年齢層・背景の人々が交流できる
- 高齢者と障害者が一緒に過ごすことで、互いに刺激を受けながら成長できる環境を提供。
-
家族の負担を軽減
- 例えば、同じ家に高齢の親と障害を持つ子どもがいる場合、共生型デイサービスなら一緒に利用できるため、家族の送迎負担が軽減。
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地域社会とのつながりを強化
- 地域に開かれた施設として、ボランティアや地域住民との交流が活発に行われることが多い。
一般的なデイサービスと比べて、共生型デイサービスは多様なニーズに対応できる柔軟な仕組みが特徴です。
1-2. どんな人が利用できるのか?
共生型デイサービスは、高齢者と障害を持つ方の両方が利用可能ですが、具体的には以下のような方々が対象となります。
高齢者の場合
- 65歳以上で要介護認定を受けている方
- 要支援認定を受け、介護予防を目的としている方
- 退院後のリハビリを継続したい方
障害者の場合
- 身体障害、知的障害、精神障害のある方
- 障害者総合支援法に基づく支援を必要とする方
- 特別支援学校を卒業後、日中の活動の場を求めている方
利用の具体例
- 例①:高齢の母親と、軽度の知的障害を持つ息子が一緒に通所
- 共生型デイサービスなら、家族が同じ施設を利用できるため、家族の負担が軽減。
- 例②:認知症を抱える高齢者と、発達障害のある若者が交流
- 世代を超えた交流が生まれ、お互いに良い刺激となる。
利用開始の流れ
- 相談支援専門員またはケアマネジャーに相談
- 施設の見学・体験利用
- サービス利用計画の作成
- 利用契約の締結後、通所開始
共生型デイサービスは、単なる介護サービスではなく、「世代・障害を超えた共生社会」を実現する場として、地域にとっても重要な役割を果たしています。
2. 共生型デイサービスの仕組み
共生型デイサービスは、高齢者と障害者が同じ空間でサービスを受けることができる施設です。
一般的な介護施設とは異なり、介護保険と障害福祉サービスの両方を活用できるため、多様な利用者のニーズに対応できる仕組みになっています。
ここでは、その具体的な仕組みについて詳しく解説します。
2-1. 高齢者と障害者が共に過ごすメリット
共生型デイサービスでは、高齢者と障害を持つ方が共に過ごすことで、さまざまなメリットが生まれます。
単に同じ場所で生活するだけでなく、相互の支え合いを通じて、利用者の心身の健康に良い影響を与えます。
① 社会的交流の促進
- 高齢者と障害者が一緒に過ごすことで、孤独感の軽減や社会性の向上につながります。
- 例えば、認知症を持つ高齢者と知的障害のある若者が会話を交わすことで、互いに良い刺激を受けられます。
② 役割意識の向上
- 高齢者が障害を持つ利用者にアドバイスをしたり、簡単な作業を一緒にすることで、自信や達成感を得ることができます。
- 一方で、障害を持つ若者も、高齢者の話を聞いたり、生活のお手伝いをすることで成長の機会を得られます。
③ 精神的な安定と健康促進
- 高齢者と障害者が一緒に活動することで、認知症の進行予防や精神的な安定に役立つとされています。
- 例えば、デイサービス内での共同作業(園芸・料理など)を通じて、意欲向上につながります。
④ 施設の多機能化によるサービス向上
- 高齢者と障害者の両方が利用することで、施設側も幅広いサービスを提供できるようになります。
- 例えば、理学療法士や作業療法士などの専門職員が配置されることで、機能訓練の質が向上します。
2-2. 具体的なサービス内容
共生型デイサービスでは、高齢者と障害者が利用しやすいように、介護保険と障害福祉サービスの両方の制度を活用しながら、さまざまなサポートを提供しています。主なサービス内容を見ていきましょう。
① 機能訓練
- 高齢者の身体機能維持や障害者のリハビリを目的とした運動プログラムが提供されます。
② 生活支援
- 食事や入浴のサポート、送迎サービスなど、日常生活を支援するためのサービスが充実しています。
③ レクリエーション・社会活動
- 音楽療法や手芸、ゲーム、外出イベントなどを通じて、利用者が楽しみながら交流できる機会を提供。
④ 介護・健康管理
- 看護師や介護スタッフが常駐し、バイタルチェックや服薬管理などを行い、健康をサポート。
2-2-1. 機能訓練
機能訓練は、高齢者の身体機能維持や障害者のリハビリを目的としたトレーニングで、以下のようなプログラムが提供されます。
① 運動療法
- ストレッチや軽い筋力トレーニングを通じて、関節の可動域を維持。
- 例えば、高齢者には転倒予防トレーニングを、障害者には生活動作改善の訓練を行います。
② 作業療法
- 指先を使うトレーニングや、実際の生活動作を練習。
- 例:ボールを使った握力トレーニングや、スプーンを使った食事の練習。
③ リハビリ機器の活用
- 施設内には、ウォーキングマシンやエアロバイクなどが設置されていることもあり、利用者の状態に合わせたトレーニングが可能。
2-2-2. 生活支援
生活支援サービスは、日常生活をより快適に過ごすためのサポートを提供するもので、主に以下のような支援が含まれます。
① 食事の提供
- 栄養バランスを考えた食事を提供し、高齢者・障害者それぞれに適した食事形態(刻み食・嚥下食など)を用意。
② 入浴介助
- 高齢者や障害者が安全に入浴できるよう、介助スタッフがサポート。
- 施設によっては、機械浴を導入し、車椅子の方でも安心して入浴できる設備を整えている。
③ 送迎サービス
- 送迎車を利用し、自宅と施設間の移動をサポート。特に車いす対応のリフト付き車両を用意している施設も多い。
共生型デイサービスは、高齢者と障害者が共に過ごすことで、社会的交流の促進や機能訓練の充実、家族の負担軽減など多くのメリットがあります。
提供されるサービスも、機能訓練・生活支援・レクリエーション・介護・健康管理など多岐にわたり、利用者の生活の質を向上させます。
3. 共生型デイサービスのメリット・デメリット
共生型デイサービスは、高齢者と障害者が共に過ごしながら支援を受ける新しい形の介護サービスです。
この仕組みにより、従来のデイサービスにはないさまざまなメリットが生まれますが、一方でデメリットや課題も存在します。ここでは、高齢者と障害児それぞれの視点から、共生型デイサービスのメリット・デメリットを詳しく見ていきます。
3-1. 高齢者が受けられるメリット・デメリット
✅ メリット
① 孤独感の軽減と社会的交流の促進
- 高齢者が若い障害者と日常的に関わることで、コミュニケーションの機会が増える。
- 例えば、障害のある子どもや若者と会話したり、一緒に作業することで、日々の刺激となり、認知症予防にもつながる。
② 役割意識の向上
- 共生型デイサービスでは、高齢者が障害者のサポートをする機会もある。
- 例えば、手芸や園芸を一緒に行いながら、指導する立場になることで自己肯定感が高まる。
③ 機能訓練の充実
- 障害者向けのリハビリ設備や専門スタッフがいるため、通常のデイサービスよりも機能訓練が充実している。
- 例:作業療法士が指導するトレーニングが受けられる。
❌ デメリット
① 障害者との接し方に戸惑うことがある
- 高齢者の中には、障害者と接する経験が少ないため、コミュニケーションに戸惑う場合がある。
- 施設側が事前に「障害者との接し方」について指導を行う必要がある。
② 静かな環境が保たれにくい
- 障害の種類によっては、大きな声を出したり、活発に動き回る利用者もいるため、高齢者の中には落ち着かないと感じることも。
③ 介護職員の負担が増える
- 高齢者と障害者の両方を支援する必要があるため、施設側の人員配置や専門性が求められる。
3-2. 障害児が受けられるメリット・デメリット
✅ メリット
① 幅広い世代と交流できる
- 共生型デイサービスでは、高齢者と日常的に触れ合えるため、社会性が育まれる。
- 例えば、高齢者と一緒に折り紙や塗り絵をすることで、協調性や忍耐力が向上。
② 落ち着いた環境で学べる
- 高齢者は基本的に穏やかに過ごすため、障害児にとっても安心できる環境になる。
- 例えば、騒がしい施設が苦手な障害児にとっては、静かな空間が良い影響を与えることも。
③ 生活スキルの向上
- 高齢者と一緒に家事や食事の準備をすることで、社会生活に必要なスキルが身につく。
❌ デメリット
① 同世代の友達が少ない
- 共生型デイサービスでは高齢者が中心のため、障害児が同世代の友達を作りにくい。
② 活動の自由度が制限される
- 例えば、元気に遊びたい子どもにとっては、高齢者に配慮しなければならず、思いきり動けないことがある。
③ 専門的な療育プログラムが少ない
- 共生型デイサービスは「介護」寄りの施設が多く、療育(発達支援)に特化したプログラムが少ない場合がある。
4. 共生型デイサービスを利用する際のポイント
共生型デイサービスを選ぶ際には、施設の設備やスタッフの対応、サービス内容をしっかりと確認することが重要です。ここでは、どのような施設を選ぶべきか、また費用の目安について詳しく解説します。
4-1. どんな施設を選ぶべきか?
① スタッフの専門性をチェック
- 高齢者支援だけでなく、障害者支援の専門知識を持ったスタッフがいるかを確認する。
- 例:理学療法士や作業療法士が常駐している施設の方が機能訓練の質が高い。
② 施設の環境・設備を確認
- バリアフリー対応かどうか
- 静かな環境で過ごせるか
- リハビリ機器やレクリエーション設備が充実しているか
③ 実際の利用者の声を聞く
- 施設の口コミや見学時の利用者の様子をチェックし、実際の雰囲気を確かめることが重要。
4-2. 費用の目安 (400〜500字)
共生型デイサービスの利用料金は、介護保険や障害福祉サービスの適用によって異なります。
① 介護保険適用の場合
- 要支援1・2: 約300〜600円
- 要介護1〜5: 約500〜1,200円
② 障害福祉サービス適用の場合
障害区分ごとの1回あたりの自己負担額(目安)
- 軽度(区分1〜3): 約400〜800円
- 中度(区分4〜5): 約600〜1,000円
- 重度(区分6): 約1,000円〜
③ 追加費用
- 食事代(1食あたり500〜700円)
- 送迎費(施設によっては無料)
まとめ
共生型デイサービスは、高齢者と障害者が一緒に過ごせる利点がある一方で、利用する際には施設の設備やスタッフの専門性をしっかり確認することが重要です。また、費用面でも介護保険・障害福祉サービスの適用を受けることで負担を軽減できます。